カテゴリー「レッサー事件簿」の3件の記事

2012/09/07

風太フィーバー

「レッサー事件簿」では、社会を賑わした(?)レッサーパンダに関する事件や出来事を振り返ります。
第3回は「風太フィーバー」。

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~事件の概要~
管理人がまとめた記事です。もしも事実と異なる箇所がありましたらご連絡ください。

2005年5月、社会的反響の大きさという意味では、日本のレッサーパンダ史上(?)最大の出来事が起こりました。

千葉市動物公園のレッサーパンダ、風太(オス、2003年日本平動物園生まれ)が二足で立つ!!!!
とマスコミ大々的に取り上げられ、社会的な大ブームを巻き起こします。

もともとは地方紙に取り上げられる予定だったのが →全国紙に記事が掲載されて話題になり →それを受けてテレビ局の取材が殺到!という流れだったようです。

もともとレッサーパンダは、個体による程度の差こそあれ、二足で立つことはできる動物です。
風太は、足腰が強かったのか、立つ時間が他のレッサーよりも多かったということはあるようですが、いずれにしても、風太だけの特殊能力ではありません。

しかし、一度、こうしたマスコミや世間の"流れ"が出来てしまえば、それをおさめるのはなかなか大変。
風太はCMにも"出演"、写真集も発売されるなど、フィーバーは過熱していきました。

また、裏ではちょっとした騒動も。

レッサーパンダは生物学的には立つことはできますが、野生下においては、長時間二足歩行をするような状況はあまりありません。

このため、あまりのフィーバーぶりに業を煮やしたWWF(世界自然保護基金)や旭山動物園から懸念を示すメッセージが発せられたのです。

千葉市動物公園では、風太に無理やり芸を仕込んだりしたようなことはもちろん全くなく、むしろ、あまりの過熱報道ぶりに困惑し、風太に過剰な負担がかからないように随分と気も使ったようです。
ただ、そういった園側の思いはなかなかマスコミは伝えてくれません。

WWFは「希少動物であるレッサーパンダに過剰な負担がかからないよう十分な配慮を」と注意を呼び掛ける文書を公表。

旭山動物園はホームページで、「レッサーパンダを『見せ物』にしないで。関係者の方お願いします」と発信。
この旭山動物園の"お願い"に対して「しょせん動物園は『見せ物』ではないか」などという抗議の声が市に寄せられます。
抗議を受けた旭山動物園が「感情に走ってしまい、十分な説明をせず、誤解を招いた」と謝罪・釈明する騒ぎも起きました。

その後、ブームは次第に沈静化。徐々に風太の周りも落ち着きを取り戻していきました。

さて現在。
風太はその後8頭の子どもの父に。さらに今や孫まででき、"おじいちゃん"となりました。
でも、まだまだ元気いっぱい。
ブームこそ去りましたが、今も変わらず千葉市動物公園の人気者です。

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~コメント~

風太フィーバー、管理人もよく覚えています。

千葉市動物公園は決して風太を商業的に利用しようとしたわけではないのは間違いのないことだと思います。

動物園側にとっても、
→ちょっとした報道がきっかけで、見物客が大量に押しかける
→お客さんが風太の立ち姿を期待して見に来る以上、ある程度、その期待に応えられるよう、風太に立つシチュエーションを与える
→風太が立つ。その立つ姿が報道されることによって、ますますお客さんが来る…
という、悪循環に陥っていたのではないでしようか。

「風太だけじゃなくレッサーパンダはみんな立ちます!だから、風太の立ち姿だけを期待して動物園に来るのはやめてください!」
なんて、あのフィーバーの中では言えませんからねぇ。。。

ただ、やはり外から見れば、風太を無理に立たせて商業的利用を目論んでいるように見えたのでしょうね。

旭山動物園は、動物のありのままの姿や行動を展示するというのが園のコンセプトでもあるので、こうした取り上げ方が許せなかったのでしょう。
誤解もありましたが、毅然としたメッセージを発信したことは素晴らしいことだと思います

抗議を受け(抗議する方もどうかと思いますが…)謝罪はしましたが、結果的に旭山の発信はマスコミや世間のお祭り騒ぎ的な風潮に対して釘をさす効果も一定程度あったのではないかと思われます。

千葉市動物公園にしても、旭山動物園にしても、動物たちを愛する姿勢や心はきっと一緒なんですよね。
外的要因(フィーバー)を受けた側(千葉)とそれを外から見た側(旭山)で、見える景色が少し違っていた…
ただ、それだけのことだと思います。

ともあれ、風太。
レッサーパンダという動物を日本でここまでメジャーにした功績は国民栄誉賞級です。
殿堂入りレッサーパンダに認定してあげましょう(笑)
"おじいちゃん"といいながらも、まだ
9才。いつまでも元気でいてください。

<追記>2014.2.10
2014年1月に千葉市動物公園を訪問。念願の風太との出会いを果たしました。
思いっきりピンボケですが(^^;)、せっかくなので立っている写真を掲載します。

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2012/08/25

天天の盗難

「レッサー事件簿」では、社会を賑わした(?)レッサーパンダに関する事件や出来事を振り返ります。
第2回は「天天の盗難」。

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~事件の概要~
管理人がまとめた記事です。もしも事実と異なる箇所がありましたらご連絡ください。

2003年6月20日の夜、千葉県の市川市動植物園に何者かが侵入し、レッサーパンダとワタボウシパンシェ(ワタボウシタマリン)を盗み出しました。
いずれもワシントン条約で保護対象になっている希少動物です。

盗まれたレッサーパンダは天天(オス、1998年生まれ)。
(先日亡くなった王子動物園の天天とは同じ名前ですが別の個体です。念のため。)

しばらく行方不明の状態が続いていましたが・・・、その後、秋になって、秋田県の民家で飼われている天天が発見されます!
無事に保護され、10月22日、動物園に戻ってくることができました。

飼っていたのは一般男性。
笹などをちゃんと食事に与えていたようで、保護された際は盗難前よりむしろ少し太っていたらしいです。

犯人(グループ?)は、市川だけではなく他の動物園からも転売目的で希少動物を盗んでいたそうで、天天は、埼玉県内の業者に250万円で売られ、さらにその業者からこの男性に339万円で転売されていたそうです。

保護された天天は、健康上も問題なく、その冬には一般公開が再開されました。
(天天は14才になった今も市川市動植物園で元気な姿を見せてくれています。)

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~コメント~

前回記事「ミンファの冒険」は今となれば笑って語れる事件ですが、この盗難事件は笑えませんね…

特に動物園の関係者は盗難されてから発見・保護されるまでの4か月間、毎日、神経がすり減る思いだったでしょう。

4か月もたって、国内で、しかも元気に発見されたというのは、奇跡といっていいのではないでしょうか。
ほんとに見つかってよかったと思います。

こういうと誤解を招くかもしれませんが、転売された先がこの男性だったのは結果的にはよかったのだと思います。

飼育行為自体は許されるものではありませんが、数か月、ちゃんと食事を与えて(与えすぎて?)、盗難前よりも太らせてしまったことを除けば健康に育ててくれたことは幸いでした。
しかし、これだけの長期間に渡って、笹なんてどこから入手していたのでしょうか?竹林でも所有していたのかな?

この男性…レッサーが好きで好きでたまらなかったんでしょうか?
だとすれば、それがちょっと誤った方向にいってしまいましたね。

管理人も、レッサーパンダを飼うことを夢見ることがありますが、もちろん妄想止まりにしています(笑)

【注意!
レッサーパンダはワシントン条約等により、その取引や飼育が厳しく規制されています。個人での飼育はできません。どうしても飼いたい場合は、妄想の中だけにしましょう。

<追記>2014.3.13
2014年1月に市川市動植物園を訪問し、天天に会うことができました。
ほんとに優しそうな顔立ちをしたレッサーパンダで、めっちゃかわいかったです。

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<追記>2014.8.7
2014年8月2日、天天は亡くなりました。
たった一度だったけど、亡くなる前に会えて本当によかったです。
どうか天国で安らかに。

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2012/08/23

ミンファの冒険

「レッサー事件簿」では、社会を賑わした(?)レッサーパンダに関する事件や出来事を振り返ります。
第1回は「ミンファの冒険」。

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~事件の概要~
管理人がまとめた記事です。もしも事実と異なる箇所がありましたらご連絡ください。

事件は2008年4月22日、福井県鯖江市立西山動物園で起きました。

15時頃、レッサーパンダのミンファ(♀)(2006年生まれ)の姿が見当たらないことに職員が気付きます。

ミンファは前月に千葉県市川市動植物園からやってきたばかりで、西山動物園ではまだ一般公開すらされていない状態でした。

いくら探してもどこにもいません。
どうも元気があり余って、柵を飛び越えて園外に出てしまったようです。

脱走した~!!!

17時30分頃 市役所にミンファ脱走の一報が入ります。
すぐに市職員が捜索に出るとともに、警察(!)に捜索願が出されます。

その後、市職員+消防+警察、総勢150人(!)の大捜索隊が結成され、ミンファの行方を追います。

その間、市はホームページと広報車で住民に注意喚起。
「レッサーパンダは人に危害を加えることはない。もしも発見しても追いかげずに動物園か市に連絡して。」
っていう内容だったようです。

その日は19時すぎまで捜索が続けられましたが、結局ミンファを発見できず、全体捜索は一旦打ち切りに。
ただし、一部職員と警察犬による捜索は深夜まで続けられました。

翌、4月23日は朝7時に捜索を再開。
しかし、懸命の捜索にもかかわらず、午前中はまたも発見できず。

そんな中・・・午後になって市民から目撃情報が寄せられます!
情報が寄せられた付近を捜索し、ついにミンファを発見!
動物園からは比較的近い場所でした。

しかし、ここからがまた大変でした。
道路の側溝内に逃げ込んだミンファ、元気が良すぎてなかなか捕まえることができません。
仕方なく獣医が吹き矢(吹き矢って…(笑))で麻酔を打ち込み、やっとの思いで保護に成功!

その後、ミンファは動物病院で消毒され、夕方、無事に動物園に帰ることができました。

この冒険旅行のせいで全国区でも有名になったミンファ。今も西山動物園の人気者です。

捜索活動と保護後のミンファの様子(鯖江市ホームページへ)
http://www3.city.sabae.fukui.jp/topics/08_04/0422minfa.html

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~コメント~

鯖江市ホームページに掲載された捜索活動の様子、笑ってしまいました。
このものものしい捜索隊・・・   一体、何の猛獣が脱走したんでしたっけ?

でも、市営の動物園ですし、万が一、不測の事態になれば、動物園、そして市の管理責任が問われますからね。
市も必死だったんでしょうねぇ。

ただ、これだけの大捜索隊を結成しながら、ミンファを発見したきっかけが、市民からの目撃情報っていうのは若干悲しい気も(笑)

それにしても、管理人的にはこの捜索隊がちょっぴりうらやましいです。
あくまでも臨時業務とはいえ、レッサーパンダを探すことが仕事なんですよ。
なんて、楽しいお仕事なんでしょう。

市民に呼びかけられた「発見しても追いかけず」っていうのは、多分管理人にはムリですね。
絶対に、確実に、追いかけていそうな気がします(笑)

お騒がせお転婆娘、ミンファも、その後、3回の出産を経験。今や立派なお母さんレッサーになりました。
(今年も7月に赤ちゃんを生んだばかり。現在、子育て中です。)

今も時々あの時の冒険旅行を思い出したりしているのでしょうか。

何はともあれ、ミンファ、無事に保護されて、ほんとによかったですね。

<追記>2012.10.8
2012年9月に西山動物園を訪問し、ミンファに会ってきました。その時の写真です。
ん~すばらしい美形パンダだ。

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<追記>2014.8.7
追記が遅れましたが、ミンファは2014年3月に王子動物園に引っ越しました。
ミンファ、鯖江から神戸へ(2014年2月20日の記事)を参照ください。

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